モーモールルギャバン「野口、久津川で爆死」

BSフジで録画しておいたKANのライブツアー番組を見ながら。
そこには、50代に近づきつつあるおっさんがピアノを弾き、極上のポップスを奏でている。この人のツアーはいつも信頼できるメンバーとのバンドスタイルで行うというのが通例で、この日もいい親父たちのバンドアンサンブルが心地よく耳に届いていた。
激しい曲では鍵盤のメロディーが音ずれ、声もさすがに息切れが多く、さすがに年は感じたものの、卓越したステージ構成、パフォーマンス、ギャグ、裏切り方、そして何よりもポップなメロディーは、以前と変わらず素敵な空間を生み出していて感動した。
僕の音楽体験は雑食で、高校生の頃はポップスばかり聴いてた。KANの登場は事件だった。真面目腐ったポップスを、バカらしい歌詞と奇天烈なライブステージを極上のポップメロディーに乗せて歌う彼の存在は、愛は勝つ以降もまったく衰えることがなく、むしろ表舞台を一歩退くことでさらにアバンギャルドかつポップになって、今でも彼の新譜は必ず買っている。
彼こそが日本のポップスの変革者であり、90年代の新しい指針を示したアーティストの一人、そして僕の音楽人生の原点。


モーモールルギャバン。彼らは2010年代の日本のポップスの変革者、新しい指針を示すであろう音楽家

おバカな歌詞に極上ポップなメロディーに奇天烈なライブパフォーマンス。
僕がモーモーをアンテナで拾ったのは、きっとKANの面影をそこに見たからなのかもしれない。

新しいアルバムは、初の全国流通。きっと多くの人の耳に届くであろう。
これはロックなのかポップスなのか、それこそJ−POPが何かなんて関係なく、日本の誇るべき音の感性が爆発した稀有なアルバムと断言できる。

野口、久津川で爆死

野口、久津川で爆死

ポップスって、実は狂気なんだと思う。それが見事に1枚に凝縮されてる。
だからこそ尊敬するよ。ヤジマッツ。
「コンタクト」を聞いて、何も感じない奴はバカだ。