生々しいお話

ついに日本の事務所に所属したMY WAY MY LOVE。否応なしに日本の音楽ビジネスの渦中に引き摺り込まれた形となり、身分が安定した反面、失った「自由」も多い。「事務所のために」リリースし、ツアーし、稼がないといけない。なぜなら事務所に給料を貰い、いい環境でレコーディングをし、生活をしているからだ。「誰に向かい音を発するのか」は以前よりぼやけていく。その恐怖。ファンである私たちにも突きつけられた永遠の課題。monoの後藤氏がvoiseでこの夏のライジングサンにおける経験を「目覚め」と悟ったように、「アーティスト」である部分と「生活者」としての部分は両方受け入れて生きていくしかないのだと思う。私たちファンは無責任だ。アーティストである演者を永遠に求める。でもそれだけを求めていては、それは永遠に続かないのだ。負を背負って生きていくことこそ、本当の生き方だとすれば、ロックンロールの行き着く先は、生ではなく死なのだろう。現実は生々しい。事務所は「彼ら」の稼ぎで潤っている。前アルバムで8億円近く売り上げた。そのうち事務所に4億は純利益として入る計算だ。しかし事務所は今日も動き続ける。社員やバイトや契約するアーティストに給料を払い、不動産屋や業者やレコーディングスタジオに代金を支払い、そして社長が生活をしていくために。おそらく月々数千万円。さあ、アーティストさん、今度はいつまでに何曲書いて、リリースはこのくらいで、よろしく、と。