次の日(ネタバレあり)

ワンマン翌日は「大日本人」見ました。ロックな映画だなー。巷にレビューも出尽くされた感じがあり、結構レビューが深読みしているのが多いので、今更言葉が見つからないんだけど。なんだろうな。肯定的な意見で多いのが「面白くないと言ってる人馬鹿。松ちゃん流の社会風刺まで読めてない」という深読み派。否定的な意見で多いのが「テレビの延長線上。映画じゃない。オチがひどすぎる。全く笑えない。」という期待はずれ派。どっちも、なんだか、なぁ。単純な感想なんだろうけど、松本の目指すのは単に「映画館で大笑いさせたい」だったと思うんだけどな。それがたまたま映画だっただけ。ばかばかしいことを大真面目にやって、観客を爆笑の渦に巻き込みたかっただけなんじゃないのかな。そういう意味では肯定派の意見はちょっと的はずれ。結果的にそういう社会風刺的な部分がうまく笑いに内包されているだけであって、その内包を持って「肯」なんてのは単純すぎる。しかもそれが分からないと映画を見る資格がないなんて、なんて高飛車な。そういう意味では僕は少し否定派に近い。総じて見れば「爆笑」できなかったから。構成や狙いは良かったと思う。インタビュアー側が徐々に切れていくという馬鹿馬鹿しい設定のドキュメンタリー方式を横軸に、素人然とした役者さんへの素の応対をエッセンスに加え、本物と見紛うようなCGを縦軸に、いかに「ばかばかしい設定」を「本当のことのように見せる」か、を基本フォーマットにしつつ、最後のオチで笑わせたい。単純にそういう映画だったんじゃないかな。深読みするとしらけるし、軽い批判はあまりに短絡的とも思う。「笑い」という一点で評価することが、松本氏への礼儀でもあるような。
しかしこの2日間は濃かった。音楽的ロックと映像的ロック。村田氏と松本氏は、ある意味似てますね。(その分野には狂うほど絶対的な自信を持っている点)つーかファンサイトにこんなこと書く僕もロック。でも一番ロックだったのは、その日一人で「大日本人」を見に来てた推定8ヶ月の妊婦さんだと思うけど。