モーモー評2

http://d.hatena.ne.jp/sikeimusic/20091119#p1

ファットな躍動感のあるリズム隊が力強いグルーヴで楽曲を引っ張り、そこにささやかながらカラフルな色を添えるキーボード。そしてメロディは渋谷系ラウンジポップ風のオシャレな落ち着きを見せつつ、何気にしっかり頭に残るキャッチーさも兼備。男女ヴォーカルの効果的な振り分けがそのキャッチーさを助長し、総じて良質なポップサウンドを聴かせてくれる…のだけど、そこで単なるオサレポップに落ち着かないのは京都出身の DNA がそうさせるのか。メロディだけ追えば清涼なのに楽器隊が不意に変な暴れ方したり、意表を突くブレイクもガシガシ挿入したり。また曲名見れば分かるように歌詞はどれもトホホでおバカ。 「バイトの時間だ 死にたい死にたい」 とか 「恋してみたはいいけど毎日ラーメン」 とか、地味にリアリティあって軽い下ネタもちょいちょい入った脱力系、つまり俺とかお前とかの生活のことです。しかしこの初期くるりBOaT にも通じる、聴けば聴くほど味が出る妙な中毒性には本当にハマってしまいそう。確かなメロディセンスの良さとともに奇妙な捻れ方したエナジーが弾ける変異体ポップ作。果たして2010年代のシーンを担ってしまうのか? 教えてパンティ!!
Rating: 8.2/10

http://d.hatena.ne.jp/spiritjack/20091121

"君のスカートをめくりたい"から"ユキちゃん"と続く流れが最高。不思議ニューウェイヴなパワーポップにちょっと壊れたセンスが加わったギターロックで、ナンセンスでジャンクな感覚とキャッチーでロックンロールなソングライティングが両立した感じがとても魅力的。冒頭を飾る"琵琶湖とメガネと君"を試聴して一発で魅了されたんだけど、その歌詞のナンセンス具合とか懐かしいNW感覚とかそのうち相対性理論と一緒に括られそうな雰囲気もあって。女の子ヴォーカルになると途端にシティポップっぽく聞こえるあたり、一聴ガシャガシャした印象とは裏腹にかなり洗練された曲づくりがされているみたい。

雑誌関係ではMUSICAとROCKIN ON JAPANの今月号で、記事とディスクレビューが掲載中です。