Joy is ...

仕事や育児が忙しく、往復の通勤の車で4周しか聞いていませんが、とてつもなくはまりました。JOY。1回目の違和感は何だったんだ?生命体は異質なものを最初は排除しようとするといいますが、異質なものだったのでしょうか?異質、つまり従来の日本の(世界の?)ロックとは明らかに指向が違う新しいものなのでしょうか。現時点では断言できません。できませんが、とにかくめちゃくちゃカッコよくてヤバイ、のは確か。シーンでもてはやされてるロックとは明らかに何か違うのも確か。です。
そんな僕が全曲レビューしちゃいます。流せるとこは華麗に流してください。
【01/ACUPUNCTURE MAN】・・・PVがCSでガンガン流れています。つまり所謂「パイロットシングル」の役割を担う曲です。誤解を恐れずに言うなら「これってマイウェイ?」。毒が少なめで聞きやすい。いわゆるFirst Contactの方には優しい曲構成、つまり分かりやすく即興性がある作りになってます。村田氏はこれをメンバーとのセッションからでなく、個人的に一人で作って、レコーディングに臨んだようです。マイウェイ中毒者からすると、マイウェイらしい狂った癖のあるオリジナリティが少なく不満もありますが、カッコイイので許す。初心者も中毒者も唸らせる絶妙な塩梅が絶妙。
【02/PARTIES】・・・さて。問題の曲です。リードトラックでリードされた人が一転して暗黒の世界に突き落とされる。いや「いざなわれる」か。この曲こそがこのアルバムの序章。試される1曲。ここで逃げてしまえば現状のまま。新しいモノを手に入れるためには多少の犠牲や忍耐が必要だが、ここはまさにその一里塚。耐えに耐え、最後のBPMが上昇するところまで耐えたあなた。マイウェイワールドにようこそ。
【03/C.】・・・暗黒混沌の世界からまた一転する世界。ジョンのソロ?コーネリアス?とも見たがえるワームボイス&エレクトロ。Aメロからグッドメロディー炸裂。そしてBメロにての多重ギターノイズでぐちゃぐちゃにしておいて、憎らしくもサビで全てを浄化するような美しいメロディー&アレンジメントを爆発させる。憎い。地上に落とされた爆弾が円を描くように広がっていくように感じるまさにカタルシス。この瞬間を享受できるからこそ感じるアルバム表題曲との根拠。今まで誰も聴いたことのないポップソング、それがC.。
【04/the wall】・・・2004年の米国ツアー時からライブでとことん転がされた曲なので、ライブ感がアルバム中一番溢れてます。これ、ライブで聴くとヤバイんすよね。最初のフレーズ明けのドラム→ベース→メインギターが一気にドガーと点火するとこなんか、ライブで体験したら動けなくなります。中盤から後半にかけてはまさに音の洪水。陰鬱なメロディーと相まって、雨の情景を感じさせます。
【05/THE DEVIL SONG】・・・僕の一押し。前作「Nothing-」が異常に好きだったためか、そのニュアンスが色濃く残り、さらにそれを発展させたこの曲が大好きで大好きでたまりません。イントロが流れると頭が自然に動きます。ポップダンスチューンといえばそうなのかも知れないけど、アレンジメントや歌詞はまさに悪魔。SEX。殺戮。妖しく攻撃的なリフは「Nothing-」のKILL YOUR IDOLが進化したような印象を受けますが、途中の村田さんの言葉遊び的歌いまわしや広江さんのベースラインがお茶目で、かわいい一面も持ちあわせます。ただ曲後半の鬼気迫る迫力がまさに圧巻で、最近この曲でドラムセットダイブする理由が少し分かります。
【06/A DAY】・・・第2の問題作。アコギではじまるのに途中で転調いや転曲。全く違う曲となりスリーピースのアンサンブルが爆発する。そしてそれを明けたらば今度はまた転調し広がるようなメロディーにノイズと電子音が絡む、まさに意味不明精神○○的構成。カテゴライズ不能。しかし、カッコイイんだなこれが!!
【07/All Flower Suck】・・・実は2002年の自主制作時に既に音源化された作品。最近ライブでやってて広江さんがVo.取ってる間に村田氏がやりたい放題してます。ヤバイですよ、ライブ。音源は以前と構成は不変なのに二回りほど筋肉が付いてでかく重くなった感じ。ここに全米全欧のライブハウスを長期間回った成果がモロ感じられます。マイウェイのライブは音源の何倍もの衝撃だもんな。
【08/billowing balance fly】・・・JOY中、唯一のまとも?な曲。いわゆる歌モノ。たぶん敢えてこういうスタイルの曲も入れたんだろうな、と。引き出しはこんな所にもあるし、こういうモノもしれっと作れるんだ、という認識が新たに得られました。
【10/the signal】・・・不安定なイントロから切々と世界の状況を嘆く歌詞が綴られる7分のミディアム。これヨーロッパツアーDVDに収録されてましたね。陰鬱な感じが1曲を通して貫かれてますが、歌詞を読みながら聴いていると、不思議に後半明るい未来を予感させたり、あるいはその先の死を予感させる、そんなラストにふさわしい曲。ライブで、心して聴きたい。最後の洪水のような3人の演奏で、全てを流し去ってくれる気がします。
【11/P.I.E.】・・・スピードパンク系。実質的締めが「the signal」なので、最後はぶっ飛ばしてやろうと。2001年のアルバム「dedicated to-」でも最後は「cota punks」という曲で鮮やかに爆発していましたが、そういう位置づけの曲ですね。これでダイブすんのかな?

ノイズノイズと言われてますが、耳が痛くなるようなモノは一切なし。1曲1曲にそれが息づいてる感じで、基本はポップ。これがJOY。マイウェイの引き出しを全てさらけ出したロックンロールフルコース。上がったり下がったり、広がったり縮まったり。もちろん脱線し放題。ほんとなんちゅうアルバムを作ってくれんねん。って感じです。